2011年一覧

素材について


遅ればせながら、私がメインで使っている無染色ウールの毛糸についてお話しします。
耳当て、帽子、マフラーなど肌に直接触れるものに使用している茶とベージュの糸は、タスマニア産のメリノ改良種の羊から出来ています。
実際にご覧になった方はおわかりだと思いますがこのなんともいえない深く優しい茶の発色、染めていない羊毛としては珍しいものなのです。
というのも白い毛の羊は放っておけば勝手に産まれるのですが、有色の羊は専門知識のもとで改良していかなければ産まれないらしく、そのタスマニアの牧場主さんはメリノから他種を交配させて茶色い羊たちを作るのに実に20年の歳月を要したそうです。
(こんな色の羊がたくさん居る景色を想像すると楽しいですよね。)

紡績はオーストラリアの小さな個人工場が100年前と変わらない道具と行程で、原毛に負担をかけないように大変な時間をかけて行いました。
羊そのままのワイルドさに加え、油分も適度に残っているのでしっとりと柔らか。
ところどころ混じったネップやフリースも良い表情を作っています。

市販の毛糸で行われているような、色を均一にする為の脱色や毛玉防止加工、縮み防止加工もしていませんのでお手入れには多少気を使っていただく必要があるかも知れません。
・・・といっても毛玉が出来たらハサミで取る、お洗濯は30度のぬるま湯で手洗い後に平干し、といった簡単なことですが。

私が編み物で物づくりを始めるきっかけは正にこの毛糸との出会いがあったからでした。
この毛糸で自分用の帽子やセーターを編む為に、それまで嗜む程度だった編み物を真剣に始めたことが今に繋がっているのです。

そんな貴重な毛糸ですが、今は生産が休止(中止、かもしれません)しており、私の手元にある限られた在庫で少しづつ編んでいるのが現状です。
休止の理由は、紡績工場のお休み(もしかしたら閉鎖)です。
ゆっくり大切に物を作っていくのは何かとサイクルの早いこのご時世においてとても大変なことで、世界中でそういった手作業のものが消えていくことを余儀なくされているのでしょう。

私のしている手編みも然り。
つい最近読んだ記事で、dosaのクリスティーナ・キムさんが伝統工芸と工業製品の関係について言及されていたのを思い出します。
続けていける状況を作ることも、重要な努力のひとつなのかも知れません。

ひとまずは思いを込めて紡がれた糸、無駄のないように丁寧に編んでみなさんにお分けできたらと思います。

冬時間 展

カミヤベーカリーさんでの「冬時間 展」が始まりました。
私も編み物で参加しています。

神谷さんがpandでの展覧会の際に購入された帽子。
神谷さんはこの帽子がとてもお似合いで、ご質問も度々あるということなので今回はカミヤモデルの同型(ほぼ)で作らせていただきました。
その他帽子が数点。すべて無染色ウール使用です。

私以外の参加作家さんがた:
tabularasa(ろうそく)
ie(焦がし絵ツリー)
Marketa Vranova(チェコの切り絵)

16時からはロウソクに火が灯って、冬の夕刻ならではの時間が過ごせそうです。
私もカミヤベーカリーさんのパンとスープを楽しみに、ゆっくり遊びに行きます。

会期: 2011/12/6 tue.-12/29 thu.
会場:
kamiya bakery
名古屋市千種区春里町4-1-11
http://kamiyabakery.com/index.html

せってん


カミヤベーカリーさんへの納品後、ギャラリーハスタクティで開催されている展覧会「せってん」を観に徳林寺へ。
創造に必要なものがすべてそこにあるような、描いた人の温度を直接感じるような作品の数々に、私は師走の多忙にぼんやりとしていた自分の心がガサっと動く音を聞いた思いでした。

エイブルアート、アウトサイダーアート、アールブリュット、呼び方は色々とあって専門家の間では議論にもなるようですが、力のある絵を前にしてはカテゴライズの概念などぜんぶ飛んでしまうことでしょう。

夏に拝見した時にも印象的だった星屋太一さんの作品もあり、ご本人にもお会いでき、ちょっと将来が楽しみになるようなお話もさせていただいたりと足を運んで良かったなあと思える良い時間でした。


展示自体は今日までだったのですが、「せってん」のH.Pで展示の様子や作品の写真をたくさん見ることができます。

まるとくプロジェクト せってんHP : http://t-project2011.tumblr.com/

納品したカミヤベーカリーさんの展示については追って詳細をお知らせします。

にちよう市のクリスマス&お正月

スタジオマノマノさんでの、にちよう市に参加します。
今回は、スペースをふたつに分け、それぞれクリスマスとお正月にちなんだ作品が並ぶ
ゆく年くる年企画。
私はクリスマスのお部屋での参加です。

普段あまりお見せすることのない刺繍の、アウトサイダーオーナメント(人形)を作成中。

当日は喫茶ブンナタッタさんでお手伝いをしていると思います。
楽しい年末気分と美味しい珈琲を味わいに、ぜひお出かけください。

会期: 2011/12/10 sat.・12/11 sun.
会場:
スタジオ・マノマノ
名古屋市千種区今池1-18-20 伊藤ビル1F
http://s-manomano.jugem.jp/

羊のなる木


自然農、といえば聞こえが良いけれど夏に雑草を刈ったのみでほぼ放置していた綿花畑を覗きに行って驚き
ました。

意外な数の実綿が前日の雨を含み、細い茎がその重みでしなるように頭を垂れています。

長雨や猛暑の時期の乾燥、台風などでどうなっているかと思っていましたが、誰も見ていないのに頑張ってくれていたようで周りの雑草に絡まって倒れたり、綿が一部硬化してしまっていたりと、過酷な状況であったことが随所に見受けられました。
周囲の雑草も台風の風よけの手助けをしてくれていたのかもしれません。
・・・と、放置の言い訳をしながら急いで収穫してこの量。

まずは種を取り除く大変な作業が最初の難関。
ここからは人間の頑張り時です。


ちなみに中世ヨーロッパでは、貿易によって入ってきた木綿は「羊のなる植物(バロメッツ)から生まれる」と考えられていたそうです。
確かに、こんなにふかふかした羊毛のようなものが植物からどのように生まれるか、謎に思いますよね。

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